夏のレポート、続きです。しっかり休ませる期間を挟んで、8月3日、宗像のグローバルアリーナへ。夕方からの涼しい時間帯に、岡山・倉敷からお越しいただいたFCガレオ玉島さんと、25分×6本の練習試合を行いました。
今回は少し長い記事になります。僕にとって、書きたいことが多すぎる相手なので。
今回も試合の内容報告だけでなく、クラブや僕の指導の考え方も踏まえて。
FCガレオ玉島と、僕らの話

FCガレオ玉島は、エコロジカル・アプローチを指導の主軸に据えてトレーニングしている、国内でも数少ないクラブのひとつです。率いる古賀康彦監督は、『サッカーのエコロジカル・アプローチ トレーニングメニュー集』という書籍も出されていて、この分野の実践では全国的に知られた存在です。
古賀さんと知り合ったのは2023年。エコロジカル・アプローチを通じて意気投合しました。そして2024年の4月、僕は倉敷までガレオの練習を見学に行っています。このとき一緒に行ったのが、スペイン・コルネジャ時代の同僚で、鹿島アントラーズや松本山雅FCでトップチームコーチを務めた坪井健太郎さん。ちなみに古賀さんの書籍は、坪井さんとの共著です。
そこから交流が続き、昨年の夏には、今回と同じグローバルアリーナでU-13の合同合宿も行いました(そのときの記事はこちら)。今回は、それ以来ちょうど1年ぶりの再会です。
両方のベンチが、ほとんど何も言わない試合

エコロジカル・アプローチのクラブ同士が対戦すると、何が起きるか。
答えはシンプルで、両方のベンチが、ほとんど何も言いません。
うちもガレオさんも、外から「ああしろ、こうしろ」という要求をほぼ出さない。両ベンチとも、じっと見ているんです。何を見ているかというと、「選手が何をするのか」。ミスの瞬間ではなく、選手がその状況で何を観て、何を選ぶのかを見ている。
理由は、これまでの記事やコラム(エコロジカル・アプローチとは何か)で書いてきたとおりです。
外から答えを与えた瞬間に、選手が自分で答えを探す時間は止まります。
だから僕らは要求の代わりに環境を用意して、待つ。それを両チームが同時にやるので、ピッチの上では、すべての選手が自分の頭で問題を解き続けている——そういう試合になります。静かなベンチと、密度の高いピッチ。ちょっと不思議で、豊かな時間です。
試合前には古賀さんと1時間ほど、エコロジカルまわりの話を色々と。この日は、Jリーグのアカデミーで指導されていた方も見学に来られていて、この輪が少しずつ広がっているのを感じました。
中学からサッカーを始めた選手が、3年でJ下部へ

もうひとつ、どうしても紹介したい話があります。
ガレオさんでは、立ち上げ期から3年間エコロジカル・アプローチを実践した結果、2名の選手がJクラブのU-18に合格しました。そのうち1名は、中学からサッカーを本格的に始めた選手です。詳しくは古賀さんご自身のnoteに書かれていますが、選手ごとに課題の設定を変え、あらゆるポジションとシステムを全員に経験させる——そんな3年間の先に、この結果がありました。
12歳の時点の評価は、未来を決めない。僕らがホームページに掲げている考えを、ガレオさんは一足先に、結果で見せてくれています。同じ道を進むクラブとして、これほど心強い実例はありません。
試合結果
◾️練習試合 vs FCガレオ玉島(@宗像グローバルアリーナ・25分×6本)
うちはU-14に加えてU-13の選手も数名帯同。ガレオさんはU-14とU-15の混合チームです。
①vs U-14 1-2(得点:イツキ)
②vs U-14 0-2
③vs U-14・15 0-2
④vs U-14・15 0-5
⑤vs U-14 1-0(得点:イツキ)
⑥0-0
学年上の選手を含む相手に、1勝4敗1分。数字は正直に受け止めます。ただ、この日うれしかったのは、1年前から選手たちを見てくれている古賀さんの「みんな上手くなったね」という言葉でした。同じ目線で選手を見る指導者の言葉なので、お世辞ではなく測定結果として受け取っています。
古賀さん、ガレオ玉島の皆さん、遠くからありがとうございました。
古賀さんとは、近いうちにじっくり対談をして、それも記事にしたいと思っています。楽しみにしていてください。

